今回は、木造軸組住宅の 『省令準耐火構造』 についてふれていきます。
◆省令準耐火構造とは・・・ (住宅金融支援機構HPより参照)
省令準耐火構造の住宅とは建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、
住宅支援機構(旧住宅金融公庫)が定める基準に適合する住宅をいいます。
具体的には次の1~3のいずれかの住宅または工法です。
ここでは、省令準耐火住宅の特徴を3つ紹介します。
1.隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止)
2.火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火)
3.万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延)
その1 隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止)
隣家からのもらい火による火災に備えて、屋根や外壁、軒裏を防火性の高い構造とします。
省令準耐火構造では、屋根を市街地での火災を想定した火の粉による建築物の火災を
防止できるよう不燃材料で葺くこと等としています。また、外壁及び軒裏は、建築基準法の
防火構造(例:外壁に防火サイディング壁を使用するなど)としています。
その2 火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火)
火災を最小限に食い止めるためには、発生源とその他の部分と区切る「防火区画化」が重要となります。
省令準耐火構造では、各室を区画する構造とするため、火が他室に燃え広がりにくくなっています。
加えて、室内の内側(壁・天井)には火に強いせっこうボードを使用します。火が柱などの構造に燃え移る
までには相当時間がかかることにより、避難や初期消火が可能となります。
その3 万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延)
内部で火災が起こった際、壁の内側や天井裏を伝わって火が広がってしまいます。
火が住宅全体に広がりにくくするため、火災の通り道となる壁や天井内部の要所
(壁の内部などの取合部)に木材や断熱材のファイヤーストップ材を設けます。
このように省令準耐火構造の住宅では、「各室防火」・「他室への延焼遅延」により
内部火災に強い住宅となっています。
◆省令準耐火構造にすることのメリット
端的に言えば、火災保険料が安くなることです。
下記、構造区分でH構造の保険料を100%とした場合、T構造(省令準耐火建築物)の保険料は、
40%~60%程度になります。
※保険料は各損害保険会社により異なります。
火災保険の保険料は、建物が建っている場所や建物の構造によって決まりますが、
保険料の大きな割合を占めるのが建物の構造です。
燃えにくい構造の建物ほど保険料は低めに、そうでない建物ほど保険料は高めに設定されています。
火災保険料の算定基礎となる構造区分 | ||||
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構造区分 | 建物の種別 | 具体例 | 耐火性能 | 保険料 |
〇M構造 | ・耐火建築物の共同住宅など | ・鉄筋コンクリート造のマンション | ||
〇T構造 | ・耐火構造、鉄骨造の建物 ・耐火建築物 ・準耐火建築物 ・省令準耐火建築物 ※1 | ・鉄筋コンクリート造の建物 ・鉄骨造の建物 ・2×4工法の建物 ・プレハブ住宅 | ||
〇H構造 | ・M構造、T構造に該当しない建物 | ・在来木造建物 |
※1:住宅金融支援機構の定める省令準耐火構造の基準に適合するもの、又は機構が承認したもの
保険料は、損害保険会社毎に、補償内容、所在地、建物構造、保険期間などによって異なります。
詳しくは弊社当者又は、損害保険会社に問い合わせ下さい。