断熱材について
[STAFF BLOG] 更新日:2016/12/19
住宅に使われる『断熱材』についてふれたいと思います。
住宅を断熱する目的は、皆さんご存じの通り、冬の冷たい空気の進入を防ぎ、また夏の暑い空気の進入を防ぎ
快適な室内環境を作り出す為です。
また、断熱することで結露を防ぎ、建物本体の耐久性を高めたり、エネルギーの消費をできるだけ抑える目的が
あります。
日本は縦に長く地域によって気候が異なる為、断熱のし方、建物の断熱性能も異なります。したがって地域にあった
断熱性能求められています。
冷気や暖気は、建物の壁・天井・床及び開口部(窓や扉)などから熱が伝わります。したがってそれらの部位に断熱
をる必要があります。
主な断熱材として、『繊維系断熱材』と『発泡プラスチック系断熱材』があります。また形状では、
『フェル状』 『ボード』 『ばら状』 『現場発泡』 などがあります。
主な断熱材一覧
◆無機繊維系断熱材
〇グラスウール
ガラスを繊維状にしたものです。
燃えにくく、白蟻がつきにくい、また性能の割りに安いといった利点
もありますが、空気や水分を通し易いため、性能を低下させる、と
いった欠点もあります。
また何より、繊維系の為隙間なく充填する施工面での良し悪しが出
やすい材料です。
熱伝導率 (数値が小さいほど性能が高い)
・住宅用グラスウール 10k 0.05w/mk
・ 〃 16k 0.045w/mk
・ 〃 24k 0.038w/mk
・高性能グラスウール 16k 0.038w/mk
・ 〃 24k 0.036w/mk
・吹込み用グラスウール Gw-1 0.052w/mk
・ 〃 Gw-2 0.052w/mk
〇ロックウール
玄武岩、鉄鋼スラグなどを高温で溶かし、細い繊維状にした断熱材。
熱に強く有毒ガスも発生しません。防音性にも優れています。
繊維系であるところは、グラスウールと同じく、隙間無く充填する施工
面での良し悪しが出やすい材料です。
熱伝導率 (数値が小さいほど性能が高い)
・住宅用ロックウール 30~50k 0.038w/mk
〇セルローズファイバー
木質繊維でもある新聞紙からリサイクル生産される断熱材。
木質繊維特有の吸放湿性があります。
水に溶けやいホウ酸を守るため、水分を弾くはっ水処理をしてあります。
また難燃処理によりJIS A9523を取得しています。
セルローズファイバーは吹き込み施工による充填断熱材です。
壁などは吹込みのためのシートを先張りする必要があり、施工手間が
掛かる為、コストアップにもなります。
熱伝導率 0.040w/mk
◆発砲プラスチック系断熱材
〇ビーズ法ポリスチレンフォーム
一般的に発砲スチロールと言われているもので、梱包材として
広く使われているものです。
ポリスチレン樹脂、発泡剤、難燃剤を加えてビーズ状にしたものを、
蒸気で発砲させます。
金型に充填して過熱することで30倍~80倍に発砲してつくります。
金型を変えることで様々な形状を作る事ができます。
水や湿気に強く、軽くて緩衝性の高い断熱材で施工性にも優れて
います。
押出法ポリスチレンフォームに比べて柔らかく、断熱性能は劣ります。
熱伝道率 0.043w/mk(密度15kg/㎥)
〇押出法ポリスチレンフォーム
当社の床断熱はこちらの断熱材を使用しています。
ポリスチレンまたはその共重合体に、発泡剤、添加剤を溶融
混合し、連続的に押出し発砲成型したものです。
発泡剤にはフロンガスは使用しておりません。
独立した細かい気泡から構成され、断熱性能が高く、堅くて
耐圧力があります。
水に強く吸湿しにくいため、基礎断熱にも使われています。
上記のビーズ法ポリスチレンフォームに比べて、断熱性能が
高いです。
熱伝導率 0.028w/mk(密度25kg/㎥)
当社の壁、屋根断熱はこちらの断熱を採用しています。
イソシアネートと水を含むポリオールを混合することで発生する炭酸
ガスを発泡材として利用することで、オゾン層破壊や地球温暖化の
原因となるフロンを全く使用しない、地球にやさしいウレタンフォーム
素材です。
無数の細かい連続気泡で構成された硬質ウレタンフォームの特性を
大いに発揮し、グラスウール10Kの約1.5倍の断熱効果を保持してい
ます。また、透湿性も低く断熱材内部に湿気を通しにくいため、壁体
内の結露を抑制し、建物の耐久性を高めます。
硬質ウレタンフォームは吹付により隙間なく充填し、ウレタン自身が
自己接着力を有するため、垂れ下がったりずれ落ちる心配がありま
せん。
長期に亘って安定した性能を発揮します。
熱伝導率 A種3 0.034w/mk